鶴の友 上白(樋木酒造・新潟県)
幻の酒を呑む。
何年か前までは新潟に行かねばお目にかかれなかった。
タイミングによっては現地に行っても置いてないっつうことも。
15年ぐらい前からいつか呑みたいなーと思っていたw
それが近所の酒屋で普通に売っていてびっくりした。
もちろん即買い。
ついでに別撰も手に入れる。
いつでも買えると分かると気分もでかくなる。
ので、別撰は親父さんにあげた。
なんて親孝行な息子なんだろうか。
僕も僕のような息子が欲しい。
バリバリの新潟淡麗辛口。
淡きこと水の如し。
が、きちんと味もある。
甘味は僅かに感じる程度。
甘味というよりはまろやかさと言ったらいいのだろうか。
僕は辛口だと思うのだが。
かみさんからすると甘いと感じるらしい。
酒の味わいってのは不思議だ。
個人差がでるほど微妙なバランスの上に成り立っている。
冷やして呑むとさらに淡麗さが増す。
燗にすると酒の旨味が膨らむ。
上立ちも含みもややアルコール臭が感じられる。
このアルコールの匂いが酒の味と剥離してるのが残念。
難癖つけるならそこ。
が、2000円弱なら文句無し。
それに、そもそもこの酒は単体で呑むもんじゃないと思う。
食中酒として設計されているはずだ。
蔵元にその意図を確認したわけではない。
が、きっとそうに違いない。
多分…。
食事しながら飲むにはこの酒以上のものはないかもしれない。
しかも、アルコールの匂いも別に気にならない。
料理の邪魔をしない。
どんな料理も味をさらに引き立てる。
薄味のものも酒の味で潰すことはしない。
しかも旨味を膨らませる不思議な酒だ。
昔、羊羹をつまみに呑める酒だと聞いたことがある。
確かに、その言わんとしていることがわかる気がした。
この鶴の友や、〆張鶴、八海山、越の寒梅あたりは旧世代の権化として、日本酒新世代なんかからすると槍玉にあげられる感じがする。
が、僕的には旧世代と新世代とは呑み方が根本的に違うような感じがする。
極端な言い方すれば新潟淡麗辛口はあくまでも食事の脇役。
烏龍茶だけ飲んでもそんなに飲めはしないだろう。
味気ないに決まってる。
逆に今流行りの無濾過生原酒あたりは酒自体を楽しむもんだと思ってる。
飯食いながら無濾過生原酒呑むのもいいんだけど、コーラのみながらパンケーキ食べるようなイメージに近いんだよなー。
もうちょいまともなこと言うと、カクテル飲みながら飯は食わないだろうっていう。
バーカウンターに座ってとは言わないけど、食事を済ました後にちまちま楽しむ方が正しい気がしてる。
と、話はそれたけど要するにいい酒だなっつうねw
評価:☆☆☆☆